「厳しい入居審査」
拝啓
秋冷の心地よい季節、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
平素はひとかたならぬ御愛顧を賜り誠にありがとうございます。
弊社は駅前不動産屋ということで、警察の方がよく来られます。
目的は事件の捜査がほとんどです。
象徴的だったのが「オウム事件」の時です。
指名手配の教団の幹部達の手配写真を持って「最近契約した賃借人のリストがみたい」という依頼が何度もありました。
その他にも新聞やテレビでは報道されないような様々な事件に関連して捜査にこられる事が多いのです。
おかげでこれまで「警察手帳」や「捜査令状」など普段中々お目にかかれないものを見ることが出来たり家宅捜査などに立ち会うなど貴重な体験も致しました。
先日も警視庁の方と神奈川県警の方がそれぞれ別々に同じ事件で捜査に来られました。
なんでも弊社管理物件のある部屋に詐欺集団の犯人の一人が出入りしている可能性があるとのこと。
その部屋の契約者は外国人の若い女性だったのですが、同居人を装って男が匿われているらしいのです。
警察の方は契約当時(2年前)の状況や連帯保証人のことなど詳しく調べ書類のコピーを取って帰られました。
その物件は1年前から弊社で管理することになったアパートで、入居時は弊社が管理しておりませんでしたので書類上のことしかお答え出来ませんでしたが、少なくとも賃料の滞納などの問題がある訳でなくどちらかと言うと優良な入居者です。
まぁ私共の経験からして犯罪に手を染めている連中ほど一見善良な市民を装っている輩が多いのですが、警察の話によると組織的な犯罪集団になると全く足の付かない女性などの名義で借りることが多く、そのような場合は入居時の審査では判別は不可能だそうです。
南林間界隈の同業者の間では、弊社は「入居審査が厳しい」と言われているそうです。
なにしろ原則として保証会社と身内の連帯保証人のダブル保証人でないと契約しませんので、申込み者によっては敬遠される可能性があります。
また契約費用も多少高くなりますので、紹介業者もあまりイイ顔をしません。
仮に管理物件のアパートやマンションが犯罪者のアジトになっていたとしても、承知して契約していない限り少なくともオーナー様や私どもが非難されることは有り得ませんが、もしそんなことになったらその物件の評判が落ちる可能性は高いですもんね。
そんなわけで「審査が厳しい」と言われているくらいで丁度いいのかな、と改めて考えさせられる今日この頃でございます。
すっかり秋らしくなってしまいました。ついこないだまでクーラーをつけていたのが嘘のようです。
ご自愛下さい。
敬具
2005年10月 第77号「厳しい入居審査」
2005.10.24 | オーナーズ倶楽部一覧へ