「自分でやれよ」
この度新しく賃貸物件としてお預りさせて頂くことになった分譲マンションの一室があります。
築半年しか経過しておらずオーナー様ご自身が使用するつもりだったそうですが、事情が変わってしばらく貸すことにしたい、とのことで当社で募集と管理をさせて頂くことになりました。
本当にありがたいお話であります。
この場を借りて感謝申し上げます。
さて分譲マンションの場合、例え賃貸物件の入居者であろうともそのマンションの固有のルールには全て従ってもらわなくてはなりません。
そこで賃貸契約時に「管理規約」の写しもお渡しするためオーナー様から管理規約を貸して頂き、久しぶりに最新マンションの管理規約を拝見してビックリしました。
何に驚いたかというとそのボリュームにであります。
20 年以上前に分譲マンションの販売に関わる仕事しておりましたし、今でも多数の分譲物件の賃貸転用に関わっておりますので管理規約は見慣れているつもりでしたが、とにかく記載内容が格段に増え、その厚さたるや冊子というよりも完全に書籍レベルです。
確かに分譲マンションの共用部分・施設は20 年前のそれとは比べ物にならないほど進化しています。
例えば宅配ロッカー、ペット洗い場、ゲスト用宿泊ルーム、シアタールーム、温泉施設等々、供給会社が競合物件に負けないように色々な豪華設備を擁し差別化を図ってきた証です。
しかし設備が多いほど住民自身のモラルが低ければトラブルも比例して増えます。
そんな増え続けるトラブルを回避するためにマンションの憲法であり六法全書である管理規約により、あれは駄目これも駄目と想定できる限りの非常識な使い方を禁じる必要が生じているのです。
話は変わりますが、我々が管理させて頂いている木造アパート等の入居者さんから最近増えている連絡内容についてのお話です。
E メールで「電気がつかないんだけど…」「エアコン壊れちゃったんですが…」或いは電話で「配管がつまった」「雨漏りしてるみたい」との連絡が日常的にくるわけですが、実際現地に行ってみると「ただの球切れ」だったり「リモコンの電池切れ」とか、「全く掃除していないので入居者の髪の毛がごっそり詰まっていたり」「ほとんど換気をしないため結露がひどくビショビショになっていただけ」のようなケースがほとんどであります。
ひどい方になると「ゴキブリがいるんですけど…」という連絡がきます。一昔前では考えられないクレームです。
こうなってくるとこちらとしても「害虫が出た場合は入居者自身が駆除すること」「エアコンの調子が悪いときはまずは電池をチェックすること」「月に一度は必ず排水口を清掃すること」等々の生活態度に至ることまで契約書の特約事項に記載しなければなりません。
ここで話が繋がります。
どうりで分譲マンションの管理規約が分厚くなるわけです。
自分の子供がまさにそうなので偉そうなことは何一つ言えない立場ですが、とにかく親や他人が全てやってくれると思い込んでいます。
暖かくて安全で清潔で快適な空間にいることが当たり前だと考えている連中の如何に多いことか。
これも時代だと言われればそうなのかも知れません。
我々大人が甘やかしてきたツケが回って来ているだけかも知れません。
それでもあえて大きな声で言いたい「少しはアタマ使って、自分でやれよ!」と。「管理会社はあんた等のママじゃないんだぞ」と。
すみませんすっかり愚痴っぽくなってしまいました。
今回だけご容赦くださいませ(汗)。
2015年11月 第198号「自分でやれよ」
2015.12.07 | オーナーズ倶楽部一覧へ