囲繞地(いにょうち)
2019年8月6日
「他の土地に囲まれて公道に通じていない土地」
囲繞地の定義です。
大和市某所で約60坪の囲繞地を所有するご兄弟からご相談を受けました。
この囲繞地には築54年の木造集合住宅が建てられており、昔は賃貸物件として稼働していたものの、
今現在はご兄弟それぞれのご家族がお住まいになっているのみとのこと。
建物の老朽化が著しく、リフォームをするには費用の予測がつかない状況。
持ち分はないが通行権のある私道との接道部分は2メートルぎりぎりで、
重機を入れて建物を取り壊すこともできない状況。
売却するしかないのですが、道路付けの問題で収益物件は再建築不可。
居住用の再建築はできるものの、そもそも今建っている建物の解体すらできない・・・。
なまじ60坪と広い為、金額が高くなってしまうこともネックとなりました。
そんな八方塞がりの時に頼れるのはご近所様。
土地が接する周辺の所有者の方に1件1件ご相談させていただくことにしました。
そしてホワイトナイトが登場。
当囲繞地の西側駐車場を所有する法人様が古い建物ごと購入してくださることになったのでした。
法人様の隣接土地と繋がったことで、囲繞地であったこの土地がしっかりとした道路付けの土地に大変身。
建物を取り壊すための重機も問題なく入れる状況になったのです。
ご兄弟は売却されたお金でそれぞれの家族の為にマンション2室を購入。
新生活を始められました。
とても難しい流れではありましたが、その時々の困難に対してご兄弟が一致団結して対応してくださったことが
今回の勝因であったと思います。
今回売却という大きな決断をされたご兄弟のこれからの人生に幸多かれと心よりお祈り申し上げます。
また「ご近所の助け合いだよ!」と購入してくださった法人様。本当にありがとうございました。
不動産にかかわる仕事をしている者として冥利に尽きるお取引でした。