マンションの寿命
2019年11月8日
固定資産税台帳の滅失データーを基に試算すると鉄筋コンクリート造マンションの平均寿命は68年という指摘があります。もちろん様々な要因によって変わってくる訳でして、鉄筋を包むかぶり圧が大きいほど耐用年数が増すと言われています。かぶり圧が4センチの場合の平均寿命は100年という計算が成り立ちます。
大手ゼネコンではその寿命を200年、500年と延長していくための開発を進めているところであります。
一方で現実的なマンションの建替え平均年数は約40年程度と言われています。
保守修繕の大きな壁は築30年のあたりに来るわけですが、大規模修繕計画を着実に実施していくこと、日頃の管理体制を徹底することで大きく耐用年数が変わってきます。
今回築45年のマンションの売買をお手伝いさせていただきました。
旧耐震で大規模修繕計画もない時代に建てられ、その後ずっと自主管理であった為建物の老朽化はかなり進んでいる上に入居者の高齢化も進んでおり・・・今更大規模修繕と言っても、そもそも管理費と修繕積立金という分離集金をしていない為、費用捻出が難しく・・・。
そこで登場した救世主は全身にキラキラ、ピカピカを散りばめた理事長さん(名実ともに光り輝く女性です!)。
高齢化の進んだ入居者たちを自宅に招き入れて臨時総会を何度も行い、時には入居者皆で食事やお酒を楽しみながらコミュニケーションを深め、ようやく約30世帯の意見を総括できるところまでまとめあげて大規模修繕に漕ぎつけました。
管理費と修繕積立金の分離集金も決定したことで管理組合として銀行融資を受けることも可能になりました!
まさにあっぱれなリーダーシップ!
結局マンションの寿命は入居者自身が作り上げていくものなんですね。
構造の進化はもちろんですが、やはり人と人のコミュニケーションなくしては建物の維持管理は本当に難しい。そんなことを痛感した今回のお仕事でした。